2009年6月アーカイブ

幽玄漫玉日記 1~4巻/著:桜玉吉

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ネタが分かる人には超おもしろい漫画、なのか?
090620yuugenmantamanikki.JPG桜玉吉(さくら たまきち)は、ずいぶん昔にゲーム雑誌『ファミコン通信』に、『しあわせのかたち』という漫画を描いていた。

初めて出会った日記漫画
私は一時期、『ファミ通』を毎号のように買っていたので、彼の漫画も読んでいた、と書くとついでに読んでいたようだが、かなり好きだった。

たしか、連載の最初のほうはキャラがいてストーリーがあった気がするが、途中から著者と同作の編集者やアシスタントなど周囲の人の日常を描く日記漫画になったような気がする。

「気がする」とは無責任だが、ずいぶん昔のことなのでよく覚えてないのだ。

だが、とてもおもしろかったことだけは覚えている。

そもそも、他人の日記漫画がおもしろいのか?
「他人の日常を読んでおもしろいのか?」と端から見れば自分でも尋ねてしまいそうだが、おもしろかった。

なぜか、考えてみると、「登場人物のデフォルメがうまいのじゃないか」といま思った。

著者や周辺の人は言ってみれば一般人で普通に見ててはおもしろくもなんともないと思うのだが、桜玉吉の観察眼にかかれば、おもしろく凝縮されてしまうのではないか?

やはり、おもしろいのだがその理由は!?
もしかしたらこれは、ほめ過ぎなのかもしれない。

ただ単に、人の日常が描かれた漫画に共感を覚えていただけかも。

あるいは、登場人物がデフォルメなしに、掛け値なしにおもしろいから、読んでておもしろかった......?

しあわせのかたち以後......
そんなこんなで、ファミ通を買わなくなった後も5年に1~2回は、桜玉吉の作品になんとなく出会うことがあった。

さて、ここからが今回紹介の『幽玄漫玉日記』。買ったのは2009年に復刻して発売された文庫版だ。

そして『幽玄漫玉日記』も、日記というだけあって作者の日常を描く日記漫画だ!ってこの人、著作の多くは日記漫画なのではなかろうか。

ってこれ10年前の日記じゃん!
連載開始は1998年なので、今回は約10年前の日記漫画を読んでいることになる......。

でも、おもしろかった!

ヒロポン、チョリソ、O村、サイバー佐藤......なつかし~!
『しあわせのかたち』の編集者、ヒロポンもあいかわらず桜玉吉の編集者で、アシスタントで桜玉吉の(たしか)同級生のチョリソのぶもたまに出てくる。

また、『しあわせのかたち』では後半から登場し始めた編集者のO村は『幽玄漫玉日記』では主役の著者と並ぶほどのメインキャラ。

そのほか、『しあわせのかたち』で好きだったサイバー佐藤が出てきたときには懐かしさでニコニコしてしまったほどだ。

そして桜玉吉、社長になる!
他人の日常を読んでいてなぜに嬉しいのか? でも嬉しいし楽しいのだ。

今回、第1巻の帯に「働くオッサン漫画家 会社を設立する」とあり、会社設立など起業ネタに弱い私は、それに引かれて買ってしまった。

よって1巻だけでやめておくつもりだったが、読んでたらおもしろくて、結局は全巻買ってしまうことに。

うつ病の著者が日記漫画を......
なんと桜玉吉、うつ病?なのか心の病をわずらったようで、日記漫画なので当然そのこともネタに......。

明るく始まったかと思いきや、ページをめくると彼の心象風景をあらわす暗い絵がドーン!みたいな。

おもしろいけど心配
読むほうはおもしろいのだが、描いてる本人はおもしろいのかな......?なんて心配してみたり。

著者がひとりで温泉に行ったことを描いてる回を読んでいたときなんて、「あれ、この人、まちがったことしちゃわないよね?」などと心配した。

著者に感情移入してしまうのは、日記漫画として描き方がうまいのだろう。

さらに問う、日記漫画は本当におもしろいのか??
しかし心配なんて書くと本当におもしろいのか、と疑問を感じるが、いやはやおもしろかった。

やはり、私は『しあわせのかたち』を知っているからこそおもしろいのだろうか。

しかし、私がふれた日記漫画はきっと『しあわせのかたち』が初だったので、そのときから桜玉吉の日記漫画はおもしろかった。

あ! 桜玉吉、絵もうまいっす!!
私に日記漫画への耐性があるのか、いや、そんなことない。きっと桜玉吉の日記漫画を支持する読者がいるからこそ、10年前の漫画が文庫で復刻するのだろう。

あと、絵がうまい。うまいといってもたとえば、『バガボンド』の井上雄彦方面に絵がうまいわけでなく、ひと言で表せば"へたうま"な絵なのだが、私はうまいと感じる。

はたして日記漫画はおもしろいのか、ぜひ一読を!
さあ、10年も前の日記漫画だが、桜玉吉を始めて読む人もおもしろいと感じるのか......、興味のある方は一読してみては。

ちなみに、第4巻の最後の数エピソードは、うつの影響大でかなり暗く、心の病についても一考させられる。

放課後のカリスマ 1巻/スエカネクミコ

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初めて読む漫画家、スエカネクミコ
090607houkagonochirisma.JPG本屋で見かけた『放課後のカリスマ』。著者のスエカネクミコは初めて聞く名前だ。ネットを検索してみると、カプコンの人気ゲーム『逆転裁判』のキャラクターデザインを担当した同社の元社員。

設定がおもしろい!
ストーリーは、歴史上の偉人や英雄、天才などのクローンが通う学園で繰り広げられる。

この設定のおもしろさに引かれて、思わず買ってしまった。

ナポレオンやエリザベス1世、ナイチンゲールにキュリー夫人、一休さんやヒトラーまで登場するのだ!

サンライズがアニメ化しそうな、胸が高鳴るキャラが盛りだくさん!
といっても、たとえば一休さんはアオッパゲの小僧でなく、左右非対称のオシャレな髪型をした眼鏡男子。学園ドラマなので登場人物はティーンで、そしてスマートに描かれている。

21世紀になって作られたアニメの『ガンダム』シリーズや、『コードギアス 反逆のルルーシュ』みたいなキャラが出てくる、といえば分かりやすい。

正直、私はそういった美しい可愛いカッコいいキャラ盛りだくさんの作品は苦手なのだが、1巻を読んでおもしろいと感じたので、しばらくフォローしようと思う。

読者は主人公に感情移入して学園生活をエンジョイ♪
主人公は、学園の生徒唯一の非クローンされる少年、神矢史良(かみや しろう)。彼は教師のひとり、神矢先生の息子だ。

史良はほかの生徒に好かれたり、嫌われたり、良くも悪くもストーリーの中心にいる。まあ主人公なので当然なのだが。きっと彼は、当たり前にクローンではない読者の分身でもあるのだと思う。

読者は、史良を通して美しい可愛い女の子たくさんの学園生活を楽しんだり、カッコいい男友達と友情をはぐくんだり、ナゾの多いストーリーを解き明かしたりする。

才能あふれるクローンと言えど持つ十代の危うさ
クローンたちは、偉人、英雄、天才などのオリジナル同様に才能にあふれているのだが、いかんせんティーンゆえの心の不安定さを持っている。

そして学園や国からはオリジナルが残した功績を超えることを期待されており、そのプレッシャーに悩んでいるクローンもいるのだ。

非クローンである凡人の史良と接することは、そんなクローンたちにとって清涼剤であるかもしれないし、また、プレッシャーを背負わない史良に苛立ちを募らせることもある。

私の注目どころはココ!
読んでいておもしろいのが、自分の中にある偉人たちのイメージと、漫画のキャラとの共通点やギャップ。

あとは序盤からストーリー全体を包んでいるであろうナゾの一片が示され、それを追う楽しさがある。

1,2巻同時発売でとりあえず1巻のみ買ったのだが、2巻も買わねば!

ファンは要入手のオマケつき
そして1巻には、ポストカードくらいの紙にコピーされた著者からのメッセージと登場人物たちのイラストのオマケつきだった。

著者のブログにも、オマケのことが書いてある。ちなみに私が買った本屋は、池袋のジュンク堂だ。

リンク集:漫画

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漫画家の公式ページなどにリンクしています。リンク切れなど発見された際は、ぜひコメントお問い合わせよりお知らせいただければさいわいです。

あ行 石川雅之(いしかわ まさゆき):『もやしもん』 井上雄彦(いのうえ たけひこ):『スラムダンク』『バガボンド』『リアル』
か行 雁須磨子(かり すまこ):『いばら・ら・ららばい』 黒田硫黄(くろだ いおう):『大日本天狗党絵詞』『茄子』『セクシーボイスアンドロボ』
さ行 スエカネクミコ(すえかね くみこ):『放課後のカリスマ』
な行 永野護(ながの まもる):『ファイブ・スター・ストーリーズ』 弐瓶勉(にへい つとむ):『BLAME(ブラム)!』『BIOMEGA(バイオメガ)』
や行 山田芳裕(やまだ よしひろ):『デカスロン』『へうげもの』 やまと虹一(やまと こういち):『プラモ狂四郎』

バガボンド 30巻/著:井上雄彦

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作家、井上雄彦を感じる『バガボンド』30巻
090606vagabond.JPG井上雄彦は大好きな漫画家だ。初めて彼の漫画を読んだのはたしか、ジャンプに読み切りで掲載された『楓パープル』だ。

スター! 流川楓
ストーリーはかなりうろ覚えだが、主人公の名前は流川楓。そう、『スラムダンク』の流川と同じ名前だが、『楓パープル』と『スラムダンク』のストーリーにつながりはない。

そのほかにも、『華SHONEN』という作品にも流川楓は出てくる。これを見たときは、「うわー! スターシステムだぁ!!」と感動したものだ。

スターシステム
ちなみにスターシステムを簡単に説明すると、流川のようなカッコいいスターキャラや特徴的なキャラを、さまざまな作品で使うこと。

詳しくはこちらを:ウィキペディア「スター・システム」のページ

読者としては、違う作品で知ってる名前が出てくると、たとえば「いよっ! 流川! 待ってました!!」となる......、のは私だけだろうか?

連載開始の1998年からもう11年!
話が逸れたが、私はけっこうな井上雄彦ファン。そして『バガボンド』連載開始以前に吉川英治の『宮本武蔵』も読んでいたので、井上雄彦が吉川英治の『宮本武蔵』を描く!と知ったときは大興奮でモーニングを買った。

しかし、ここ数巻の『バガボンド』に対する私の読み方は、かなり惰性だった。好きな漫画家の好きな作品だから単行本が出たら買って読むルーチン。

あためて、バガボンドに興奮
だったのだが、30巻のあるシーンに興奮した。30巻では武蔵は、吉岡一門との件で京都所司代に逮捕され、牢に入れられている。

そんな武蔵に興味を持って呼び出したのが当の京都所司代、板倉勝重。30巻で最も興奮したのは、彼が武蔵に告白した心のうちだ。

以下、板倉の言葉をちょっとだけ引用。

わしも剣は 人並み以上に 修めてきたが

いや だからか

「強さ」において わしの知らぬ 境地にいる おぬしに対する

引け目

それを 見せずに 済むのは 年を 重ねた からだ

引け目 それ自体は 心に生じた 小さな波に すぎぬ

不安の方へ 振れれば心は 閉じる

見まいとして 固く閉じた 心の中では 不安は やすやすと 恐怖にかわり 敵意へと育つ


読者の心を、えぐる漫画
うーん! この言葉、井上雄彦が考えたんだろうか? それとも吉川英治の『宮本武蔵』にあった?

私が吉川英治の『宮本武蔵』を読んだのはもうずいぶん前で、このシーンがあったかどうかさえも忘れた......。

しかし思うに、この言葉は作家、井上雄彦によるものだと思う。

人の心のうち、しかも引け目というナーバスな心の動きを言葉として明確に示されて、読んで、私の心は震えた。

しばし、今の自分や過去の自分を思い返した。

武蔵 vs. 小次郎に向け、これからの展開がまた楽しみに!
読者にここまでさせるなんて、井上雄彦はやはりただの漫画家ではない! エンタメ供給者を超えた作家だ。

『バガボンド』30巻は、読んでとても興奮、感心した。でも、最終巻とかに流川が出てきたらもっと興奮&感心するかも(笑)。

いいわけ

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前回の更新から間が空きました。

本業が忙しくなりまして......。

うーん! これからはとにかくUPしていく所存です。



対応しています OpenIDについて




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