バガボンド 30巻/著:井上雄彦

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作家、井上雄彦を感じる『バガボンド』30巻
090606vagabond.JPG井上雄彦は大好きな漫画家だ。初めて彼の漫画を読んだのはたしか、ジャンプに読み切りで掲載された『楓パープル』だ。

スター! 流川楓
ストーリーはかなりうろ覚えだが、主人公の名前は流川楓。そう、『スラムダンク』の流川と同じ名前だが、『楓パープル』と『スラムダンク』のストーリーにつながりはない。

そのほかにも、『華SHONEN』という作品にも流川楓は出てくる。これを見たときは、「うわー! スターシステムだぁ!!」と感動したものだ。

スターシステム
ちなみにスターシステムを簡単に説明すると、流川のようなカッコいいスターキャラや特徴的なキャラを、さまざまな作品で使うこと。

詳しくはこちらを:ウィキペディア「スター・システム」のページ

読者としては、違う作品で知ってる名前が出てくると、たとえば「いよっ! 流川! 待ってました!!」となる......、のは私だけだろうか?

連載開始の1998年からもう11年!
話が逸れたが、私はけっこうな井上雄彦ファン。そして『バガボンド』連載開始以前に吉川英治の『宮本武蔵』も読んでいたので、井上雄彦が吉川英治の『宮本武蔵』を描く!と知ったときは大興奮でモーニングを買った。

しかし、ここ数巻の『バガボンド』に対する私の読み方は、かなり惰性だった。好きな漫画家の好きな作品だから単行本が出たら買って読むルーチン。

あためて、バガボンドに興奮
だったのだが、30巻のあるシーンに興奮した。30巻では武蔵は、吉岡一門との件で京都所司代に逮捕され、牢に入れられている。

そんな武蔵に興味を持って呼び出したのが当の京都所司代、板倉勝重。30巻で最も興奮したのは、彼が武蔵に告白した心のうちだ。

以下、板倉の言葉をちょっとだけ引用。

わしも剣は 人並み以上に 修めてきたが

いや だからか

「強さ」において わしの知らぬ 境地にいる おぬしに対する

引け目

それを 見せずに 済むのは 年を 重ねた からだ

引け目 それ自体は 心に生じた 小さな波に すぎぬ

不安の方へ 振れれば心は 閉じる

見まいとして 固く閉じた 心の中では 不安は やすやすと 恐怖にかわり 敵意へと育つ


読者の心を、えぐる漫画
うーん! この言葉、井上雄彦が考えたんだろうか? それとも吉川英治の『宮本武蔵』にあった?

私が吉川英治の『宮本武蔵』を読んだのはもうずいぶん前で、このシーンがあったかどうかさえも忘れた......。

しかし思うに、この言葉は作家、井上雄彦によるものだと思う。

人の心のうち、しかも引け目というナーバスな心の動きを言葉として明確に示されて、読んで、私の心は震えた。

しばし、今の自分や過去の自分を思い返した。

武蔵 vs. 小次郎に向け、これからの展開がまた楽しみに!
読者にここまでさせるなんて、井上雄彦はやはりただの漫画家ではない! エンタメ供給者を超えた作家だ。

『バガボンド』30巻は、読んでとても興奮、感心した。でも、最終巻とかに流川が出てきたらもっと興奮&感心するかも(笑)。


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このページは、tamuroが2009年6月 6日 21:42に書いたブログ記事です。

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